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2014.08.20
外壁材の汚れが気になったら
タイルやサイディング等の外壁材は様々な原因によって汚れが発生することがあります。
原因により適切な方法で除去してください。
藻(苔)の付着
原因
藻類は湿気と光があれば、地球上場所を問わずに「土壌、岩、樹皮上、雪上、建築物」など、どこにでも成育することができます。
凹凸があり、ざらついた表面状態の外装材は、藻の胞子自体が引っかかりやすいことや、水も溜まりやすいことから、条件が重なれば自然現象として藻がつく可能性があります。
防止方法
こまめに点検し、清掃を行います
洗浄方法
中性洗剤を水で薄めて、柔らかいブラシで水洗いします
タイルの虹彩現象(こうさいげんしょう)
原因
タイル施工後、タイル表面に雨水やセメント中に含まれる物質(炭酸塩、硫酸塩、珪塩)が汚れとして付着し、これが平滑な薄膜状となった時に光の干渉で虹色に見えるようになります。
施工直後(PC板への打設後など)でも、セメントなどを含む洗浄水が付着し、乾くことで発生する場合があります。
防止方法
きれいな水で洗浄を行ってください。
洗浄方法
硬質研磨剤を含まないナイロンたわしを使用します。
酸性フッ化アンモニウムのようなフッ酸系の溶剤を用います。(タイル表面を傷めることがありますので十分に注意してください)
いずれの場合もあらかじめ必ずサンプルタイルでタイル表面が傷つかないことを確認した後、使用の可否を判断してください。
タイルの白華(はっか)…[1] 鼻たれ
白い汚れがタイルの目地部分から染み出し、タイルに覆い被さる現象を、白華現象の中の「鼻たれ」と呼びます。
主成分は炭酸カルシウムです。セメントの硬化反応に伴って発生する水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が水に溶けて染み出し、乾くと同時に空気中の炭酸ガスと反応して不溶性の炭酸カルシウムとなったものです。
原因
タイルの裏面に隙間があったり、壁面にひび割れなどがあり、外部から水が入ると発生します。
防止方法
発生しやすい箇所は、ひび割れの下部、窓周りの下、モルタル笠木の下のパラペット下部など、浸水部ないしその下方部分です。このため水が入らないようにすることが重要なポイントです。
ひび割れを発生させないよう、ひび割れ誘発目地をきちんと設けるなどがポイントで、一旦発生した鼻たれは水の入り口を無くさない限り容易には止まりません。
洗浄方法
ケレンがけして大まかに取り除いた後、塩酸2~3%溶液で擦り洗いします。
タイルの白華(はっか)…[2] 粉吹き
レンガやタイルの表面に白く粉が吹いてくる現象を、白華現象の中の「粉吹き」と呼びます。
無釉【むゆう】(表面に釉薬【ゆうやく】が施されていない)で、吸水性、透水性のあるタイルに限り、発生する場合があります。鼻たれとは異なり、成分は塩基性硫酸カルシウムや重炭酸ナトリウムなどが圧倒的です。
原因
タイルの裏側のモルタルやコンクリートから水分が染み出し、この中に溶け込んでいた物質がタイル表面で乾いて固まってしまったものです。
防止方法
タイルに撥水処理をしますと防ぐことができます。粉吹きが発生したら水洗いで除去し、タイル表面が乾いたらすぐに溶剤型のシリコン系撥水剤を塗布します。これだけでほとんどが防止できます。
洗浄方法
水洗いで除去できますが、またすぐに発生します。通常2~3年でタイル内の細孔がふさがり、発生しなくなります。発生時期にも特徴があり、冬季に北側の壁面でよく発生します。
(LIXIL サポートブックより引用)